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「LGCソフト」というお米
「LGCソフト」という品種のお米を取り扱っている、お米農家さんをご紹介いただきました!
とっても魅力的なお米なので、ご紹介します。


- 知ったきっかけ
- 「LGCソフト」って何?
- LGCソフトの栄養成分(基本項目)
- LGCソフトのたんぱく質組成
- グルテンとはどう違うの?
- アミロースとアミロペクチン
- 岐阜クリーン農業
- 栽培について
- 低たんぱくごはんとどう違うの?
- LGCソフトの購入方法
- LGCソフトの活用
知ったきっかけ
2022年に、私が代表を務めている団体で、親子の田んぼ体験イベントをしました。
6回コースで、田植え・管理・収穫・わら工作など、田んぼの一連の流れを学ぶイベントです。
秋の収穫の回で、お米の食べ比べをしました。
そのうちの一つに、この「LGCソフト」が紹介されたので、知ることができました。
その時は「腎臓病の方にもいいお米らしいよ」っという、協力農家さんの解説でした。
腎臓病食サポートをしている私としては、
「何⁈それは詳しくお聞きしたい!」
っと食い気味にお願いして、今回ご紹介いただきました。
取扱っている伊南ライスセンターの砂田さんが、快く会っていろいろお話を聞かせてくださいました。
きっかけをお聞きすると、砂田さんのご家族に腎臓病の方がいることで、この米を栽培してみようと取り組まれたそうです。

伊南ライスセンターさんは、岐阜県の試験農家としてこのお米を栽培しています。
毎年試験を受けているため、データもあるし、岐阜県からも認定されています。
他にも品種のこと、栄養成分のこと、栽培の工夫、農業の運営や物流のこと、国の制度のこと等、いろいろと…
包み隠さずいろいろとお話してくださいました。
お話しをキチンと聞けば、なるほど納得です。
特別なお米ではない事がわかりましたし、「特別でないことが良い」と私には感じました。
「LGCソフト」って何?
「LGCソフト」という品種の名前です。
「コシヒカリ」や「あきたこまち」のような、品種の名前です。
「LGC」は、Low Glutelin Contentの略で、「消化しやすいたんぱく質のグルテリンが少ない」という意味です。
「ソフト」は炊飯米がやわらかく、粘りがあることを意味します。

たんぱく質の中には、人間の身体で消化しやすいもの(易消化性たんぱく質)と、消化しにくいもの(難消化性たんぱく質)があります。
消化しやすいということは、身体の中に吸収されるということ。
逆に消化しにくいということは、身体の中に吸収されず、そのまま便として排出されるということです。
グルテリンというのは、穀類(特に米)の中にあるたんぱく質で、人間の身体で消化しやすいたんぱく質です。
消化されやすいグルテリンが少ないので、食べた時に吸収する量が他の米に比べて少ないということになります。
ところが、LGCソフトはたんぱく質が特に少ないお米ではありません。
消化されやすいタンパク質が少ないだけで、その分消化されにくいたんぱく質(難消化性たんぱく質)が増えています。
LGCソフトの栄養成分(基本項目)

一般的な米と栄養成分を比較してみましょう。(炊飯前の米100g当たり)
【LGCソフトの栄養成分(炊飯前の米)】
エネルギー 346kcal
たんぱく質 5.5g
脂質 1.2g
炭水化物 78.3g
【一般的な米の栄養成分(炊飯前の米)】
エネルギー 342kcal
たんぱく質 6.1g
脂質 0.9g
炭水化物 77.6g
(参照:「日本食品標準成分表2020版(八訂)」)
米からごはん180gに換算して、見てみましょう。(今回は炊飯2.3倍で計算)
【LGCソフトの栄養成分(ごはん180gに換算)】
エネルギー 270kcal
たんぱく質 4.3g
脂質 0.9g
炭水化物 61.1g
【一般的な米の栄養成分(ごはん180gに換算)】
エネルギー 267kcal
たんぱく質 4.8g
脂質 0.7g
炭水化物 60.5g
エネルギー量(カロリー)は、通常のお米とほぼ同じです。
たんぱく質も若干少ないだけで、ほぼ同じだということがわかります。
脂質・炭水化物は、若干多いだけで、ほぼ同じです。
今回の検査結果は令和4年の米です。
土壌や栽培方法にも左右されるそうで、絶対的なものではありません。
比較に使用した「日本食品標準成分表2020版(八訂)」は、日本のあらゆる米の平均であるため、推定値と考えてください。
以上のことから、基本の栄養成分表示を比較すると普通の米とほぼ同じです。
LGCソフトのたんぱく質組成
次に、米たんぱく質の組成分析結果を見てみましょう。
赤枠で示した「難消化性タンパク質」の部分をご覧ください。

LGCソフトは41.3%、コシヒカリは25.1%です。
つまり、「消化しにくいたんぱく質が多いため、他のお米よりはたんぱく質の吸収が抑えられる」という特徴を持つ品種になります。
基本の栄養成分表示では、ここまで表示されません。
日々の食事摂取量を計算する場合、多くは加熱した料理であっても生の状態で計算し、口に入った量で判断します。
実際に腸から吸収される量までは考えません。
また、人間には個体差があり、吸収される具体的な量を断定することはできません。
何も保証できるものではありませんが、言葉で表現するならば、
「たんぱく質の吸収を減らすことが期待できる米」となります。
グルテンとはどう違うの?
最近「グルテンフリー」という言葉をよく耳にします。
「グルテン不使用」という意味ですが、グルテンとは何でしょう。
グルテンは、小麦に含まれるたんぱく質です。
小麦粉には「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のたんぱく質が含まれています。
水を加えてこねることで、この2つが絡み合って「グルテン」に変化します。
粘りと弾力のある成分なので、パンのフワフワ感・モチモチ感は、このグルテンの働きです。
グルテンは、小麦に含まれているたんぱく質なので、今回のグルテリンとは違います。
アミロースとアミロペクチン
ご飯には粘りがあり、米の70%含まれる炭水化物(でんぷん)の成分によるものです。
アミロースとアミロペクチンというでんぷん成分があります。
粘りと硬さは、この2種類のでんぷんの比率で決まります。
アミロースの多いお米は、硬く、パサパサしています。
アミロペクチンの多いお米は粘りがあり、ほどよい歯ごたえになります。
一般的なうるち米のでんぷんは、アミロースは20%、アミロペクチン80%の割合です。
粘りがとても強いもち米は、アミロースの割合が0%で、アミロペクチン100%です。
LGCソフトのでんぷんは、アミロペクチンが多めなのだそう。
そのため乳白色で、小粒で、もち米に近い見た目になります。
我が家にあるお米で比較してみました。
右:うるち米(岐阜県産コシヒカリ)
中:LGCソフト
左:もち米(岐阜県産たかやまもち)


私も実際に食べてみました。

見た目と味は、他のお米と大して変わりません。
粘りが少しあって、モチっとした食感です。
だから普通に美味しいです!
親子の田んぼ体験イベントでの食べ比べでは、「LGCソフトが好き」って言う人が、コシヒカリよりも多くいるくらい人気でした。
岐阜クリーン農業
「有機物等を有効に活用した土づくり並びに環境への負荷の大きい化学肥料、化学合成農薬等の効率的な使用と節減を基本とし、生産性と調和できる幅広く実践可能な環境にやさしい農業です。」
(参照:岐阜県ホームページ)
伊南ライスセンターさんでは、慣行栽培とは違い、農薬や化学肥料を通常の50%に減らしています。
慣行栽培とは…
病虫害の駆除・防除および除草のために農薬を使用し、生育促進および収量増加のために化学合成肥料を主に使用する従来型の栽培方法。
そのため、岐阜クリーン農業の基準を満たし、認定されているのですね。
右上に認定のシールが貼ってあります。

しかし、この認定制度は2024年3月31日で終了するそうです。
伊南ライスセンターさんでは、認定制度が終了した後も、同じ栽培方法を継続されるそうです。
砂田さん曰く
「時々、黒い粒があります。虫がかじった跡で、虫が食うくらい安全だということなので、安心してお召し上がりください。」
とのことでした。
安心ですね。
栽培について
普通のお米と同じような年間スケジュールだそうです。
4月下旬 種まき
5月中旬 田植え
9月上旬 収穫
ただ、収穫のタイミングが大事なんだとか。
他にも、LGCソフトの特徴がいくつかあると、お話ししてくださいました。
- 小粒
- 割れやすい(粉々になりやすい→上の画像を撮る時に割れた粒が多かった)
- 発芽しやすい(発芽玄米になりやすい)
- 肥料の加減でたんぱく質が増えやすい
だから、栽培には非常に気を遣うそうです。
砂田さんにお話しを聞いて、私が一番ビックリしたのは、お値段のこと。
- 種の価格(仕入れ値)がコシヒカリの6倍
- 栽培には、手間と気を遣う
- そもそも、岐阜県で栽培している所が少ない
- 農薬も抑えて、安全性もある
- 岐阜県公認の試験栽培農家にもなっているから、栽培ができる
- 試験費用が通常より高い
- 成分分析がちゃんとできている
かなり付加価値が高いお米であることがわかります。
これらから考えると、販売価格が高くなるのが普通です。
しかし、伊南ライスセンターさんは、消費者に寄り添ったリーズナブルな価格設定にしているとのことでした。
- 直売 5kg 2,500円(税込)
- 直売 300g(2合) 300円(税込) ※着払い
- Amazon(通販) 5㎏ 3,780円(税込) ※送料込み
(比較:コシヒカリ 5㎏ 2000円)
少なくとも、伊南ライスセンターさんが栽培し、検査を続ける限り、毎年販売されます。
売れなければ、栽培することすら難しくなってしまいます。
安心安全が感じられるお米なので、継続していただけるように応援したいですね。
低たんぱく質ご飯とどう違うの?
一方、世の中には「低たんぱくご飯」という特殊食品があります。
これは、コシヒカリなどの米に特別な加工をして、たんぱく質を減らしたものです。
メーカーさんの技術は進歩して、この10年で臭みはかなり減りましたが、ちょっと味気ないご飯です。
病院の給食で「腎臓病食」といえば、当たり前に低たんぱくご飯が出てきます。
管理栄養士達が、栄養指導でよくおススメするヤツです。
(私も病院勤務時代は、当たり前のように紹介していました。)
しかし実際は、我慢して低たんぱくご飯を食べてる人も多いのが現実です。
LGCソフトは、特殊食品ではなく普通の食品です。
ただの品種の違いであって、特別ではありません。
(「コシヒカリ」「あきたこまち」みたいな違い。)
一般的な栄養成分表示では、たんぱく質の量も他の米とほぼ同じです。
管理栄養士が特定の商品を紹介すると、勘違いされやすいのですが…
〇〇が治る、〇〇が良くなるという、何かの症状を改善させるものではありません。
私たちも、正しく伝える努力が必要です。
きっと、今後も病院の管理栄養士達が栄養指導で紹介する事は無いと思います。
でも私は「普通だからこそ良い!」っと思いました。
普通のご飯を諦めている腎臓病の方とその家族に、新しい選択肢の一つとしてご紹介したい!って思いました。
その代わり、病状に合わせて個別に量の調整が必要です。
伊南ライスセンターさんにお客様からのお問合せがあれば、今後は、私が対応させていただくなどの連携もとりたいと思います。
LGCソフトの購入方法
【直売】伊南ライスセンター
- 5kg 2,500円(税込)
- 300g(2合) 300円(税込) ※着払い
岐阜県山県市小倉796-1
TEL 0581-36-3074
FAX 0581-36-2277
お名前、住所、お電話番号、注文数をお伝えください。
【通販】Amazon
5㎏ 3,780円(税込) ※送料込み

LGCソフトの活用
LGCソフトの良さを活用して、菓子に利用されている店舗があるようです。
米を製粉して米粉にし、和菓子・洋菓子の原料に使用していることを教えていただきました。
ぜひ、取材に行きたいと思います!
ステキなご縁をありがとうございました!
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